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世界1位に返り咲いた山口茜が、
ジャパンOPで見せた“余裕”。
~精神的成長で五輪争いをリード~

posted2019/08/16 07:00

 
世界1位に返り咲いた山口茜が、ジャパンOPで見せた“余裕”。~精神的成長で五輪争いをリード~<Number Web> photograph by AFLO

2週間で10試合目となった奥原との決勝を制し優勝した山口。体力的な厳しさをクレバーさで見事カバーした。

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矢内由美子

矢内由美子Yumiko Yanai

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AFLO

 東京五輪開幕まで1年となった7月、五輪本番会場で22歳の笑顔が弾けた。バドミントン女子シングルスの山口茜(再春館製薬所)が武蔵野の森総合スポーツプラザで開催されたジャパンオープンで6年ぶりに優勝。インドネシアオープンに続いて2週連続で高額賞金のワールドツアーを制覇した。

 ジャパンオープンでは5試合すべてにストレート勝ちを収めた。大会を通じて光っていたのは、得意の攻撃力を生かすクレバーな組み立てと、フットワーク。手の内を知り尽くし合う奥原希望との決勝戦では、奥原の粘りに引きずり込まれることなく、機を見て繰り出すスマッシュで主導権を握った。課題のスタミナに関しても、7月上旬のナショナル合宿(富山県)での登坂ダッシュが生きた様子で、最後まで足が止まらなかった。

「100%の体勢にならないと決め球を打たないという我慢ができたのが良かった。2週連続の優勝は初めての“経験”なので達成感があります」

 いつも以上に言葉を弾ませた山口は、この結果により、戴資穎(タイ・ツーイン=台湾)を抜いて'18年4月26日付け以来、約1年3カ月ぶりに世界ランク1位に返り咲いた。現在は、東京五輪出場権を決める「オリンピックレース」のまっただ中。重圧の下で好成績を続ける要因に「精神面での成長」を挙げる山口は、「緊張、期待、プレッシャー。いろいろなことを感じながら、それでも思い切りやれている」と、言葉にも力みがない。

1度目の世界1位とは意味が違う。

 振り返ると前回の1位は「1週間でもいいから“体験”してみたい」という願望を叶えての1位だった。シングルスの日本勢としては男女を通じて初の快挙だったが、わずか2週間でその座を明け渡し、「うれしくはあったけど、いざなってみると何も変わらなかった」と複雑そうだった。2度目の世界1位となった今回はもう“体験”ではなく“経験”とすべき時期と言えるだろう。

 8月下旬には世界選手権が始まる。初出場だった'17年は3回戦で敗退したが、昨年は銅メダルを手にした。今年は「挑戦者の気持ちで自分の精一杯のプレーを出したい」(山口)。目の前の大会に集中しながら初の頂点を目指し、その先の東京五輪に向かう。

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