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明徳・馬淵節が甲子園に帰ってきた。
「パンツびっちゃんこやったわ」

posted2019/08/08 16:30

 
明徳・馬淵節が甲子園に帰ってきた。「パンツびっちゃんこやったわ」<Number Web> photograph by Kyodo News

1990年に明徳義塾高校の野球部監督になってから29年。昨夏は高知商に敗れて夏の甲子園に出場できなかった。

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中村計

中村計Kei Nakamura

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「野球はわからんのですよ。うまいことやったら」

 初戦を6-4で逃げ切った明徳義塾の監督、馬淵史郎は試合後、ベテラン講釈師のような味わい深い語り口で、そう言った。

 高知大会の4試合は、初戦こそコールド勝ちしたものの、その後は接戦が続いた。

「楽勝の試合がなかったぶん、今日のようなしびれる試合展開でも、落ち着いてプレーできたんやと思います」

 地方大会におけるチーム打率.304は、全出場校のうち下から4番目。チーム本塁打は0本だった。絶対的エースも不在で、4人の投手でやりくりする。

「今年の明徳は打てませんのでね。バントで送ったり、継投したり、普通の高校野球のチームだからね」

「エンドラン、なんとかかけてやろう」

 馬淵は過去、夏の初戦15連勝をマークしたことがあるほど、初戦に強い。その根拠は、はっきりしていた。

「相手を研究する時間があるからよ」

 今年も抽選で相手が藤蔭(大分)に決まってからというもの、映像を繰り返し観て、戦い方をイメージしていた。

「ヒットエンドランは、なんとかかけてやろうと思ってたんですよ。向こうがけっこう仕掛けてくるので」

 相手の十八番を奪い、機先を制する腹積もりだったのだという。4回、6回と1アウト一塁からそれぞれヒットエンドランを成功させ、得点イニングをつくった。

 また、藤蔭は6回から、そこまで2失点に抑えていた小宮大明に代え、左腕の高田大樹をマウンドに送り込んだのだが、馬淵は「ラッキーやと思った」と振り返る。

「スライダーの抜け球が多いんですよ」

【次ページ】 「パッとひらめいた」9回の継投。

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