ウルブズとレスターの「高揚感」。

　トップ6争いに興味と激しさを加える後続勢は、ウルブズとレスターあたりか？

　双方ともチームを包む高揚感は、前述の上位第2グループを凌ぐと言える。昇格1年目の昨季に堂々の7位につけ、7月末から今季EL予選を戦っているウルブズには、昨季のEL予選敗退がリーグでのスタート失敗と残留争いにつながったバーンリーの二の舞を不安視する声もある。しかし、監督のヌーノ・エスピリト・サントは戦術の引き出しも多く、手元の戦力も守備的に戦わざるを得ないバーンリーを上回る。

　レスターは昨季9位だが、今年2月末のブレンダン・ロジャーズ監督就任で活力を取り戻している。昨季後半のレンタルから完全移籍に切り替えたユーリ・ティーレマンスと、ニューカッスルで昨季チーム最多のリーグ戦12得点を上げたアジョセ・ペレスという、突破力もある創造力と得点力を今夏に確保したことで、攻撃志向のロジャーズ色を強めた戦い方が可能になるだろう。

この10年間で最多の8名という英国人監督。

　監督と言えば、今季はこの10年間で最多の8名という英国人監督の多さも目を引く。その1人が昨年10月に下位で引き継いだチームをプレーオフ経由で1部昇格に導いた、アストンビラのディーン・スミスである。

　前任地のブレントフォード時代から2部最高レベルの国産有望株と評判だった48歳は、マン・マネージメントの腕も確か。ユース出身の逸材だがアストンビラの「放蕩息子」と言えたジャック・グリーリッシュは、トップ下としても主将としても欠かせない23歳に成長している。守備が課題のチームだが、助監督はプレミア史上最高のCBとも言われたジョン・テリーだ。補強に170億円近い予算を割いて迎える今季は、大型補強をしながらリーグ最多失点で降格した昨季フルアムの再現を回避できるかどうかが注目されている。

　残る昇格組ノリッジとシェフィールド・ユナイテッドは2部へのUターンが予想されるが、前者にはプレミアでのブレークが期待される若手がいる。左右をこなす19歳のSB、マックス・アーロンズだ。

　実は知人の甥っ子ということもあり2部の試合に足を運んで見たが、サイドを疾走するスピードは確かに魅力的。守備面でも、クリスタルパレスで台頭して今夏マンU入りしたアーロン・ワン・ビサカのような強烈なタックルはないが、ポジショニングを心得て守る賢さを備えているように見えた。

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