プレミアリーグの時間BACK NUMBER
リバプールがマンCに雪辱を果たす!?
今季のプレミアリーグを大胆予想。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/09 08:00
8月4日に行われた「コミュニティ・シールド」マンチェスターC対リバプールは、1対1のままPK戦にもつれ込み、5対4でマンCが勝利を収めた。
飽くなき勝利への意欲を示すスターリング。
最終的にPK戦を5対4で制したマンCは、「優勝候補筆頭」とする巷の下馬評をさらに強めることになった。その一因である、飽くなき勝利への意欲を体現していた1人が、先制ゴールを決めたラヒーム・スターリングだ。先発した3トップ中央でも、レロイ・サネ負傷退場後の左サイドでも、昨季リーグ最少失点のリバプール守備陣を苦しめ続けた。中盤では、クラブ史上最高額で獲得されたロドリが合格点の90分を過ごした。将来的にはフェルナンジーニョの後継者とされる23歳は、フルタイム目前で一瞬、集中力を欠いてピンチを招きかけたが、ハーフタイム直前にはハーフウェイラン付近から素早く前方にパスを送ってチャンスを演出するなど、やるべきことをほぼそつなくこなした。
最終ラインの中央では、ジョン・ストーンズが相手選手2名を前に、ゴールライン際から通した前半のフィードといい、ボックス内に侵入したモハメド・サラーに対する後半ロスタイムのシュートブロックといい、自信溢れる姿を見せた。
リバプールが1990年以来のリーグ優勝?
PK戦での1本を含む数度のセーブを披露したクラウディオ・ブラボは、今季も控えだが、この日は短いフィードが目立った。ペナルティエリアを超えないゴールキックが許される今季のルール改定は、正GKエデルソンも含め“足元派”のマンCゴールキーパー陣には好都合だ。
ただし筆者は、今季こそは1990年以来のリーグ優勝というリバプールの悲願が叶うと見ている。少数派かもしれないが。
昨季プレミア連覇を達成したマンCにも、トップリーグ3連覇を遂げる母国史上2番目のクラブとなり、宿敵マンチェスター・ユナイテッドに並ぶというモチベーションはある。だが、クラブ史上初となるCL優勝を望む選手たちの気持ちは、それ以上と想像される。
コミュニティ・シールドでキャプテンを務めたダビド・シルバは、今季がマンCで送るラストシーズン。ベンチで休養となったセルヒオ・アグエロも決定力は健在だが、若返ることはない。前主将バンサン・コンパニが祖国ベルギーに去ったように、11年前のクラブ買収を機に強化を進めてきたチームは、第1サイクルの終焉を迎えようとしている。