プレミアリーグの時間BACK NUMBER
リバプールがマンCに雪辱を果たす!?
今季のプレミアリーグを大胆予想。
text by
山中忍Shinobu Yamanaka
photograph byUniphoto Press
posted2019/08/09 08:00
8月4日に行われた「コミュニティ・シールド」マンチェスターC対リバプールは、1対1のままPK戦にもつれ込み、5対4でマンCが勝利を収めた。
したたかな戦い方がレパートリーに加わる。
その前に欧州制覇を成し遂げたいという意識が、今季の経過と共に強まり、その反動でリーグ戦での取りこぼしが起こらないとも限らない。大きなプレッシャーの下、精神的な支柱だったコンパニの抜けたチームがどう対応できるか。現時点では未知数だ。
その点、昨季に通算6度目の欧州制覇を実現したリバプールは、プレミアでのタイトル獲得に注力できる。ユルゲン・クロップ監督は、昨季と同様に「タイトルに優先順位などつけられない」と言うかもしれない。しかし、昨季は手堅い1-0勝利やセットプレーからのゴールが増えたように、したたかな戦い方を采配のレパートリーに加えている。
また、選手層で勝るマンCへの対抗策として、国内カップ戦と欧州戦を“捨てる”覚悟を決めても不思議ではない。開幕早々の8月14日には、イスタンブールで昨季EL王者チェルシーと対戦するスーパーカップ、12月にはカタールでのクラブ・ワールドカップにも参戦する今季となればなおさらだ。
ファンダイクの存在感は増す一方だ。
チームには、マンCがCLと並行したリーグ優勝争いで隙を見せた場合につけ込む力が備わっている。移籍3年目のビルヒル・ファンダイクは、「守備の要」を超えて存在感を増す一方だ。ウェンブリーでの今回の対決では、前半は最終ラインが乱れる中で不本意な45分間を過ごしたとも言えるが、味方のFKを巧みにコントロールしたデリケートな折り返しで、ジョエル・マティプのヘディングゴールを演出してもいる。
ウェンブリーでのリバプールは、早々にカウンターから得た決定機でサラーがダイレクトシュートをニアポストの外側ではなく内側に決めるべきだった。終了間際のヘディングも、カイル・ウォーカーにゴールライン上でクリアされたサラーは運がなかったとも言えるが、延長戦があれば軍配はリバプールに上がっていたと思われる。後半、昨季は怪我に泣いたアレックス・オクスレイド・チェンバレンとアダム・ララーナの両MFもピッチに登場。平均年齢20代半ばの若いチームには、昨季タイトルレースでの僅かな差を詰めて、抜き返すだけの伸びしもあると見る。