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ベイスターズの“幸運のお守り”。
石川雄洋が通算1000本安打目前。

posted2019/08/03 11:30

 
ベイスターズの“幸運のお守り”。石川雄洋が通算1000本安打目前。<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto

4月29日の巨人戦では一軍昇格即スタメン出場すると、チーム連敗を10で止める決勝本塁打。

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石塚隆

石塚隆Takashi Ishizuka

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Kiichi Matsumoto

 石川雄洋に、1000本安打という節目がついに訪れようとしている。同じ内野手で後輩の柴田竜拓は、先輩が長い時間をかけ築き上げた記録に対し期待を寄せ語った。

「僕はもちろん、チームメイトの誰もが早く達成して欲しいと願っていると思いますよ」

 2004年のドラフト会議で6巡目に指名された石川は、横浜高校から横浜ベイスターズに入団した。時は流れ現在33歳となるベテランは、DeNAの生え抜き選手として最長となる15シーズン目を迎えており、日本人最年長野手としてチームを鼓舞する存在へと成長している。

 2007年4月1日の巨人戦で高橋尚成から初安打を放ってから足かけ約12年、1000本安打まであと3本と迫っていた7月末、石川に今の心境を尋ねてみると落ち着いた面持ちで次のように語ってくれた。

「まわりからはよく記録について言われるんですけど、自分としてはこだわっているわけではないんです。他にもすごい選手はたくさんいるわけですからね。ただ、ここまで来られたのは多くの人たちに支えてもらったからだし、本当、お世話になった人たちには感謝したいですね」

盗塁王を争った時期もある。

 クールではあるものの、どこか愛嬌のあるたたずまい。石川という選手は、不思議な風情の持ち主である。

 かつては期待の若手としてスマートなプレーを披露し、盗塁王を争ったこともあった。不動のリードオフマンとしてレギュラーで活躍した時期はあるものの、決してスター選手のような派手な輝きがあるわけではなく、どちらかと言えば常にバイプレーヤーとして渋い立ち位置で存在感を示してきた。

 過去には幾度もケガに見舞われ、チーム状況によっては外野を守ることもあった。DeNAの初代キャプテンを引き受け、また時には生え抜きゆえの厳しい野次にもさらされるなど、決して平坦ではない日々を過ごしてきた。

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