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逆指名マッチのC・ロナウド欠場騒動。
怒る国民との狭間に揺れるKリーグ。
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byGetty Images
posted2019/08/03 11:50
試合前はベンチに座るC・ロナウドの姿に大歓声が沸き起こっていたが……。
試合は1時間遅れ、イベントも未参加。
だが、飛行機の到着が2時間遅れたことで、すべてのスケジュールが一気に狂った。
ファンイベントの15時に間に合わず、試合開始の20時になってもユベントスはスタジアムに到着できず、実際に試合が始まったのは20時57分だった。
韓国の報道が一部、日本でも伝えられているが、主催者はユベントスが契約を守らなかったことに対し違約金の支払いを求めているという。韓国プロサッカー連盟は主催者との間で交わした契約不履行により損害賠償を求め、韓国のサッカーファンはロナウドが出場しなかったことや精神的苦痛を理由に損害賠償の訴訟を起こしている。
最新の動向では、韓国プロサッカー連盟がユベントスに正式に「契約不履行」に対する内容で抗議文を送った。それに対してユベントスのアニェッリ会長が出した回答はこうだ。
「ロナウドは医療スタッフの指示で、筋肉の疲労により休養の必要性があった。ロナウド以外の選手は、スタジアムに集まった観客を失望させないいい試合を見せた。無責任な行動という告発を到底、受け入れることはできない」
いずれにしても、一筋縄ではいかない事態に発展しており、結末はいまだに見えてこない。
“逆指名”に応えたKリーグの選手たち。
そもそも、この親善試合はユベントス側からKリーグへの働きかけによって行われたものだった。熱烈なオファーに対し、Kリーグはシーズン中の最中、急きょファン投票を行うなど、ユベントスを迎え入れる準備を急ピッチで進めた経緯がある。
それでも選手たちは「チームKリーグ」の面々は誰一人、文句を言わなかった。とにかくプレーに全力を尽くしのだ。
先制点を決めたMFオスマル(FCソウル)の豪快な左足からのミドルシュートは、ユベントスの目を覚ますのにふさわしい一撃だったし、続けてセジーニャ(大邱FC)とアダム・タガート(水原三星)がゴールを決めた。外国人選手の活躍が目立ったが、イタリア王者のユベントスを相手に3-3のドローに持ち込んだ。
前日にはソウル市内で行われたファンイベントでもこの催しを大いに盛り上げた。元韓国代表FWパク・チュヨン(FCソウル)や韓国代表DFイ・ヨン(全北現代)、韓国代表DFホン・チョル(水原三星)らがサインをしながらファンとの交流を楽しんだ。