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逆指名マッチのC・ロナウド欠場騒動。
怒る国民との狭間に揺れるKリーグ。
posted2019/08/03 11:50
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
Getty Images
いま韓国でユベントスのクリスティアーノ・ロナウドが大騒動の中心にいる。
事の発端は7月26日にソウルワールドカップ競技場で行われたKリーグ選抜の「チームKリーグ」との親善試合。ユベントスのアジアツアーの最後の地での試合に、ロナウドが出場しなかったことだ。
試合を主催した会社、韓国プロサッカー連盟、韓国サッカーファン、そしてユベントスを取り巻いた騒動は、依然として収束する気配を見せていない――。
今大会開催にあたり、主催者の「thefesta(ザフェスタ)」とユベントスの間で契約書が交わされていたという。試合終了後に主催者側から契約内容に関する公式の説明文と謝罪文が送られてきたのだが、内容は「C・ロナウドが最低でも45分プレーすること」や「ファンイベントに参加する」という約束があったことがしっかりと明記されていた。
それにも関わらず、ロナウドは1秒もピッチに姿を見せなかった。
強行日程を受け入れていたユベントス。
スタジアムでは6万5000人の「ローナウド!」と呼ぶ声が響いたが、後半なかばからは完全に大ブーイングに変わっていた。
試合前に15時からソウル市内で予定されていたファンイベントにも、ロナウドは「コンディション管理のため」という理由で参加できないとの説明があった。ユベントス副会長のネドベドやGKブッフォンなど数名の選手がサインと写真撮影に応じていたものの、イベント時間は短縮され、ファンを満足させる進行とは程遠かった。
そもそも、ロナウドは24日に中国で行われたインテルとのインターナショナル・チャンピオンズ・カップにフル出場しており、その2日後に韓国で親善試合を行うことになっていた。どう考えても強行スケジュールだが、主催者側はこう説明している。
「24日に中国でインテルとの試合を終えて、26日に韓国に入国した場合、ロナウドのほかユベントス選手たちに疲労があることは理解できていた。しかし、ユベントスが26日開催の日程に合意した。選手に休みを与えたいとのことで、(韓国側が提案した)2泊3日の日程を短くしてほしいと要請があった」
つまり、韓国入りしてから1日ですべてのスケジュールを消化できると、ユベントスが条件をのんだというのだ。