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神戸とバルサが「ファミリー」化。
試合より気になった結束の内容とは。
posted2019/07/30 20:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
AFLO
最近、巷でよく聞く「ファミリー」がサッカー界に生まれた。もちろん、いい意味で。
7月27日に親善試合を行った、ヴィッセル神戸とバルセロナである。
イニエスタが際どいミドルを放ち、ラキティッチの突破をサンペールがスライディングで防ぐ。ビジャがブスケッツの脇のスペースを狙って動き出すなど、まるでバルサの紅白戦を見ているようだった。
試合は後半、トップチーム定着を狙うカルレス・ペレスの2ゴールでバルサが2-0で勝利した。
ただ、この日は試合内容以上に、両クラブの強い結びつきが印象に残る1日となった。
4人目のバルサ経験者が入団。
まず、昨季までバルサに所属したベルメーレンの神戸加入が決定したこと。これまでのキャリアでケガが多いのは気になるが、センターバックからの組み立てに課題を残す神戸にとって、勝負を懸けた補強と言えるだろう。
「チームにとって重要な加入になると考えています。(ヨーロッパの)夏の移籍ウインドーが開いて補強が必要と動いたのでしょうし、彼はディフェンス面で安定をもたらしてくれると思っています」
イニエスタもベルメーレンにこう期待を寄せている。そんなイニエスタを皮切りに、この1年2カ月で4人のバルサ経験者が神戸に加わったことになる。
「アンドレス(・イニエスタ)、ビジャ、サンペールと一緒に仕事ができ、私もその中に入れる」
「バルサで何年か仕事をしていたが、バルサで経験したことをここに持ってきてほしいとオーナーに言っていただきました。私は学んだことをここで発揮していくつもりです」
ベルメーレンはそう語っていた。