マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
佐々木朗希は「秋」に伸びる。
彼の器に、甲子園なんて小さい話だ。
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byAsami Enomoto
posted2019/07/30 11:30
論争の最後はやはり「選手の納得感を高めるための準備」にたどり着くのではないだろうか。
甲子園の「あと」に目線を向けて。
大船渡・佐々木朗希を、この夏の甲子園で見たかった。その思いはいまだ消えない。
見たい!と願っていた者の思いが尽きないのだから、この夏の甲子園で投げたかった「君」の思いはさらに尽きないことだろう。
しかし、怒られるのを承知で言わせてもらえば、佐々木朗希に「甲子園」なんて、小ぃせえ、小ぃせえ!
本人にしてみたら、高校野球最大の目標は「甲子園」なのだろうから、そりゃあ、投げきれずに終わったことは悔しいだろうが、「甲子園」で野球が終わる球児たちだって、たくさんいるんだ。
「そのあと」に計り知れない可能性を秘めた大器ならば、目線を上げて、もっとはるか先を見よう。
そして、そのスタートになるこの「秋」にしてほしい。