「レギュラーを獲る。でも、なんでもやる」

　これらの根拠を藤田に告げる。すると、「あぁ」と納得したように同調してくれた。

「それはあるかもしれないですね。今年はより入り込めているような気がします。だから緊張してたのかもしれないですね」

　今年、藤田にその境地を作らせている背景には、ある種の「難題」への挑戦も挙げられるかもしれない。

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「レギュラーを獲る。でも、なんでもやる」

　春季キャンプから藤田は、この相反する役割の両立に励んでいる。画像アップロード...

　セカンドが本職の藤田にとって、浅村栄斗がFAで入団したことが大きかった。加えて、2017年から2年間、レギュラーとしてシーズンをフルに戦えなかった自分とも向き合った末の決断だったと、藤田は話してくれた。

「自分が頼られる場面は絶対に来る」

「浅村が来てくれたことはチームにとってプラスやし、優勝するための戦力の底上げにもなるんですけど、自分はレギュラーを渡したとかじゃなくて。現役でいる限りはレギュラーを獲る気持ちがないと『引退かな？』ってなっちゃうんで、獲れる場所で獲りに行くって姿勢を常に出していきたいんですよ。スタメンじゃない日でも、自分が頼られる場面は絶対に来る。その時のためにしっかり準備をしておきたいなって。だから、キャンプ前から『なんでもやります』ってことを、平石（洋介）監督に伝えたんですけどね」

　開幕時点ではショートのレギュラー獲りを目指していたが、それが「絶対」ではない。もしかしたら、サードに変わるかもしれないし、浅村が君臨するセカンドだって可能性はゼロではない。可能性がある限り、自分が守れるポジション全てでレギュラーを狙う。

「だって、『できません』と答えるより『できます』と答えたほうが、平石監督も安心でしょ。イメージして、準備しておくだけでも、実際に試合に入った時に全然変わるんで」

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