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PL学園から大阪桐蔭へ――。
高校野球の勢力と文化の変化。
text by
鈴木忠平Tadahira Suzuki
photograph byHideki Sugiyama
posted2019/07/25 12:00
甲子園での成績も、OBのプロでの活躍度も、現在の高校野球界で大阪桐蔭の存在感は圧倒的だ。
徳を積む、感謝の気持ちというPL教団の教え。
同校史上初の春夏連覇、絶頂期を過ごした片岡篤史はあの時代を否定することをできないと強調した。
「PLから多くの選手がプロ野球界にいって、名球会に7人も入った。もちろん、いい選手をスカウティングしたのもあるけど、それだけじゃないところもあると思うんです。徳を積む、感謝の気持ちを持つというPL教団の教え。宗教がどうのこうのではなくて、あれはすごく野球につながりました。これはPLで過ごした者しかわからない、共有できないものでしょう」
今年2月、ある意味、PL学園野球部の象徴であった研志寮が取り壊された。片岡はその場面を目撃し、目に焼き付けたという。
昭和の遺物がまたひとつ消えていく。そして、その間にも、また新たに時代はめぐっていくのだろう。
Number983号『高校野球が教えてくれた』では、大阪桐蔭、PL学園、横浜、広陵など甲子園常連校のDNAや花巻東出身のメジャーリーガー・大谷翔平と菊池雄星のWインタビューが掲載されています。ぜひご覧ください。