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レアル&バルサの主力化が若すぎる!
久保建英と安部裕葵が挑む難関。
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byAFLO/Daisuke Nakashima
posted2019/07/22 07:00
プレシーズンマッチで初陣を飾った久保建英と、バルサの日本遠征メンバーに入った安部裕葵。現在の主力の過去を振り返ると、そう若くはない。
ラモス、マルセロは19歳で定着。
まずは久保が加入したマドリーからだ。
<現マドリーの主なフィールドプレーヤーが頭角を現した年齢>
☆は下部組織を経験した選手
DF
☆カルバハル:21歳(2013-14/45試合2得点)
☆ナチョ:24歳(2014-15/22試合1得点)
セルヒオ・ラモス:19歳(2005-06/46試合6得点)
バラン:19歳(2012-13/33試合2得点)
マルセロ:19歳(2007-08/32試合0得点)
MF
☆カゼミーロ:21歳(2013-14/25試合0得点)
アセンシオ:20歳(2016-17/37試合9得点)
イスコ:21歳(2013-14/53試合11得点)
ハメス・ロドリゲス:23歳(2014-15/42試合16得点)
クロース:24歳(2014-15/50試合2得点)
モドリッチ:26歳(2012-13/52試合4得点)
FW
☆ヴィニシウス:18歳(2018-19/30試合3得点)
☆ルーカス・バスケス:24歳(2015-16/33試合4得点)
ベンゼマ:21歳(2009-10/33試合9得点)
ベイル:24歳(2013-14/44試合22得点)
セルヒオ・ラモス、バラン、マルセロが19歳にして最終ラインのレギュラーだったのは、ただただ驚きだ。確かにずっとマドリーでレギュラーを張っているなとは思っていたが……。
現地メディアでよく久保と比較対象に挙げられるヴィニシウスは、不調に苦しんだ昨シーズンのチーム状況もあってか異例の早さでトップチームに食い込んだ。とはいえアセンシオ、イスコら中盤のテクニシャンが21歳までに主力級になっているのだから、短い期間で結果を残す必要があるのだろう。
また移籍組も実績を残して加わったイメージだが、モドリッチ以外はほぼ25歳以下である。ちなみに退団が濃厚というベイル、中盤を仕切るクロースだけでなく、ロナウドもマドリーに加入したのは24歳(2009-10シーズン)だったのは興味深い。
ストライカーなのに利他的すぎると叩かれがちなベンゼマだが、21歳からほぼ10年間マドリーのレギュラーを守っている。「BBCトリオ」の3番手だったわけではなく、恐るべきセンターフォワードなのである。
久保の監督ラウールはなんと17歳!
ちなみにマドリーの生え抜きと言えば、懐かしの銀河系軍団を支えたラウール、グティ、GKだがカシージャスだろう。3人についても調べてみた。
ラウール:17歳(1994-95/30試合10得点)
カシージャス:18歳(1999-2000/44試合)
グティ:20歳(1997-98/20試合1得点)
ラウールとカシージャスが若すぎるうえに、10代にして2ケタ得点を達成したり正守護神になっているのだから恐ろしい。なおラウールは今季から久保が主戦場とする「カスティージャ」の監督に就任した。それだけに久保ら10代後半の選手の心境はわかるだろう。どのような采配、育成を見せるかも注目してみたい。