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マキロイが16歳で「61」を記録!?
今年の全英コースは「誰も知らない」。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph byGetty Images
posted2019/07/17 17:00
地元アイルランドでの全英オープンに、マキロイは誰よりもモチベーションを上げているに違いない。
ウッズ「今はゴルフより大切なものがある」
地元出身、欧州出身の選手たちが諸手を挙げて喜びながら全英オープンを待ち焦がれていたのに対し、米国を代表する2人、タイガー・ウッズとフィル・ミケルソンは、彼らとはまったく対照的な想いを胸に秘めながら、それぞれの「準備」を行ってきた。
今年のマスターズを制し、大復活優勝を遂げて世界を沸かせたウッズは、次なるメジャー16勝目が期待される中、試合に1つも出ずにいきなり挑んだ全米プロでは予選落ち。その後、レギュラー大会1試合を経た後に挑んだ全米オープンでは21位タイどまりに終わった。
その全米オープン後は、家族でタイ旅行へ出かけ、またしてもレギュラー大会に1試合も出ることなく、全英オープンを迎えた。
14日の日曜日にロイヤル・ポートラッシュ入りしたウッズは、その足でコースに向かい、すぐさま練習ラウンドを開始したが、欧米メディアはそんなウッズの挑み方に首を傾げ、「本気で優勝を目指しているとは到底思えない」と批判調の記事も出回っている。
だが、ウッズが何もせず怠惰な生活をしていたかと言えば、そういうわけではない。全英オープンの10日前から、ウッズは現地の早朝6時に当たるフロリダ時間の午前1時に毎日起床。早いうちから体内時計を調整する時差対策をひっそりと行ってきた。
「以前はゴルフがすべて、勝つことがすべてだった。でも今はゴルフより大切なものがあると思っている」
ゴルフより家族。練習より休養や心身のリフレッシュ。そして、無理せず、焦らず、マイペース。そうやってメジャーに備えることが、今年のウッズの新しいメジャーへの備え方になっている。
ミケルソンは状態が上がらず苦悶の只中に。
2013年の全英オープン覇者であり、メジャー5勝を誇るミケルソンにとっては、ロイヤル・ポートラッシュのみならず、自身の調子の上げ方も雲をつかむような状態にある。
今季は春先のAT&Tペブルビーチ・プロアマで勝利を上げ、幸先のいいスタートを切った。だが、マスターズは18位タイに終わり、全米プロと全米オープンはそれぞれ71位タイ、52位タイと下位に終わった。
メジャーのみならず、米ツアーのレギュラー大会でも不調に陥り、トラベラーズ選手権と3Mオープンでは2試合連続予選落ち。そんな中で全英オープンを迎えようとしていたミケルソンの気持ちは、ひどく荒んでいた。
「気分が悪かった。どうにかしなければと思いながらも、無気力で何もしたくなくて、SNSにも何もアップしていなかった」