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テニス界の注目は大坂から15歳に!?
早熟選手のバーンアウトと出場制限。
posted2019/07/11 17:30
text by
山口奈緒美Naomi Yamaguchi
photograph by
Hiromasa Mano
「新時代の到来」「セリーナ・ウィリアムズ級の女王誕生」と、女子テニス界が大坂なおみ一色に染まっていたのはつい半年前のことだったが、視線の移ろいは早い。
ウィンブルドンに現れた<未来の女王>にファンの目は釘付けとなった。聖地に旋風を巻き起こしたのはアメリカの15歳、コリ・ガウフ。昨年14歳で全仏オープン・ジュニアを制した天才少女は、今大会予選ワイルドカードからスタートし、ウィンブルドンではオープン化以降最年少での突破を果たすと、本戦の1回戦で39歳の元女王ビーナス・ウィリアムズとの注目の一戦を制した。
堅固なディフェンスを最大の武器に、ときに大人顔負けのテクニックを見せて2回戦、3回戦と勝ち進み、4回戦で第7シードのシモナ・ハレプに3-6、3-6で完敗して快進撃は止まったが、噂の実力と存在感を世界に大いにアピールした。
ガウフの躍進で浮き彫りになった問題点。
現在313位のガウフのランキングはこれでトップ200入りが予想される。いったいどれほどのスピードでトップに駆け上がるのかという興味とともに今問題になっているのが、WTAツアーが定める若年選手の出場大会制限だ。
女子選手は18歳の誕生日を迎えるまで、自由に好きなだけ公式戦に出場することはできない。現行のルールでは、14歳の誕生日から15歳の誕生日までに出場できるのは8大会、次の1年、つまり15歳では10大会、16歳で12大会、17歳で16大会という具合だ。さらに大会の規模やワイルドカードの数などが細かく定められている。なお、フェドカップの代表に選出された場合とWTAファイナルズの出場資格を得た場合は、上記の大会数とは別に出場が許される。
18歳以上になれば、平均して年間20大会前後に出場するが、中には30大会以上を戦っている選手もいるので、制限はかなり厳しいといえるだろう。