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一度はブラジルに惨敗のペルーが、
番狂わせ連発でコパ決勝進出の理由。
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byGetty Images
posted2019/07/07 12:00
ウルグアイ、チリを連破したのは運だけでない。ペルー代表が地力としたたかさを持っているからだ。
ブラジルとしては一種の罠では。
ブラジルにとって、決勝で当たる相手としては最も手強いのがウルグアイで、次がチリだった。ペルーがこの両国を倒してくれたのは望外の幸運で、しかもGSで対戦しているから手の内はわかっている。
しかし、ブラジルにとって、実はこの状況は一種の罠かもしれない。ウルグアイでもチリでもないからと気を緩めるのは、極めて危険である。しかも、ペルーはGSで対戦したときとは全く別のチームになっている。手の内を知られているのは、実はブラジルだけなのかもしれない。
ブラジルとしては、できるだけ早い時間に先制して優位に立ちたい。そして、ペルーが得点を狙って前がかりになったところでカウンターから追加点を奪えば、勝利は盤石になる。
一方、ペルーは前半は無失点で切り抜け、後半勝負に持ち込みたい。そうすればブラジル選手に焦りが生まれ、ウルグアイ戦と似た展開に持ち込める。延長、PK戦を狙ってもいいし、またそのように見せかけてカウンターからゴールを狙えば勝機が生まれる。
実力で優り、地の利もあるブラジルの有利は動かない。しかし、サッカーでは何が起きるかわからない。そのことは、ペルーが2試合続けて証明している。