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プロ野球の「1億円」は10人に1人。
バスケは富樫だけ、Jリーガーは?
posted2019/07/01 11:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Getty Images
「1億円」という文字を見た瞬間、人は反射的に「おっ、景気のいい話か?」と興味を惹かれる。またそんなことを思う機会があった。
スポーツとお金の話題で世間が盛り上がったのは6月3日、富樫勇樹の年俸である。2018-19シーズンのバスケットボールBリーグでMVPに輝いた富樫は、同リーグ史上初となる日本人1億円プレーヤーとなったのだ。
八村塁のNBAドラフト1巡目指名とともに、バスケがスポーツの枠を超えて注目を集めるニュースとなったわけだが、やはりプロプレーヤーたるもの、ドカンと高収入を稼いでるんだぜ! というのは夢があるものだ。
……で、その夢を実現した選手たちって、どのくらいいるんだろうか?
Bリーグ以外で国内のプロ選手がいるスポーツと言えば、バレーボールのVリーグ、ラグビートップリーグなど思いつくが、年俸が華やかなイメージと言えば、プロ野球とJリーグだろう。プロアスリートの中で、どのくらいの日本人選手が「年俸1億円」を突破しているのか。実は競技の枠を超えて考えてみる機会は少ない。
ということで、プロ野球は『プロ野球12球団全選手完全名鑑2019』(コスミック出版)、Jリーグは『Jリーグ選手名鑑2019』(三栄書房)を参考に、年俸を1人ずつ調べてみた。
まずはプロ野球から。2019年開幕時点で日本人1億円プレーヤーは71人である。やっぱり多い!
パ・リーグはソフトバンクが大盤振る舞い!
■プロ野球■
<西武:6人>
投手:増田達至、内海哲也(1億円)
野手:中村剛也(2億8000万円)、秋山翔吾(2億3500万円)、栗山巧(1億3700万円)、山川穂高(1億1000万円)
<ソフトバンク:10人>
投手:森唯斗(2億8000万円)、千賀滉大(1億6000万円)、和田毅(1億円)
野手:柳田悠岐(5億7000万円)、内川聖一、松田宣浩(4億円)、今宮健太(2億6000万円)、中村晃(2億4000万円)、明石健志、長谷川勇也(1億円)
<日本ハム:6人>
投手:金子弌大(1億5000万円)、宮西尚生(2億5000万円)
野手:中田翔(2億8000万円)、西川遥輝(2億円)、中島卓也、近藤健介(1億円)
<オリックス:2人>
投手:増井浩俊(3億円)
野手:T-岡田(1億2000万円)
<ロッテ:5人>
投手:涌井秀章(2億円)、益田直也(1億3000万円)、石川歩(1億1500万円)
野手:角中勝也(1億3100万円)、鈴木大地(1億円)
<楽天:5人>
投手:岸孝之(3億円)、則本昂大(2億5000万円)、松井裕樹(1億1000万円)
野手:浅村栄斗(5億円)、嶋基宏(1億円)
※パ・リーグ計34人
なんとなく分かっていたのだが、やっぱりソフトバンクがパ・リーグNo.1の大盤振る舞いだった。とはいえ長年の主力で今も一軍で活躍する内川、松田、和田、また今まさにピークを迎えている柳田や今宮、森がしっかりともらっている。1億円をもらっているのが意外だな、と思ったのは明石くらいだろうか。全体的には実力社会をしっかり反映した査定なのだろう。