クライマーズ・アングルBACK NUMBER
なぜ日本がボルダリング強豪国に?
秘密は街中のジムの「壁」にあり。
text by
森山憲一Kenichi Moriyama
photograph byRyusuke Fujieda
posted2019/06/16 09:00
W杯初優勝を果たし、シーズン総合でも3位に入った緒方良行。神奈川大4年のホープだ。
課題はボルダリング以外の種目。
ただし内藤は、こうした環境下で日本のボルダリングは確かに強くなったが、リードはそうでもないと指摘する。これは内藤の言うとおりで、リードは日本だけでなく、スロベニア、オーストリア、フランス、韓国などにも強豪選手がひしめく群雄割拠状態。ボルダリングの圧倒的な成績に比べると見劣りし、日本は突出した存在感を示しているわけではない。
7月からはそのリード種目のワールドカップが始まる。そして8月の世界選手権(東京・八王子)は、ボルダリング、リード、スピードの3種目合計得点で争われるコンバインド(複合)競技も行なわれる。コンバインド競技のみで争われるオリンピックを来年に控え、その行方を占ううえでも非常に重要な大会だ。
ボルダリングの勢いをリードにもつなげられるか、注目が集まっている。