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なぜ日本がボルダリング強豪国に?
秘密は街中のジムの「壁」にあり。

posted2019/06/16 09:00

 
なぜ日本がボルダリング強豪国に?秘密は街中のジムの「壁」にあり。<Number Web> photograph by Ryusuke Fujieda

W杯初優勝を果たし、シーズン総合でも3位に入った緒方良行。神奈川大4年のホープだ。

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森山憲一

森山憲一Kenichi Moriyama

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Ryusuke Fujieda

 6月8日、ボルダリング・ワールドカップの今季最終戦がアメリカ・ベイルで開催され、日本の21歳、緒方良行が初優勝を決めた。予選から決勝までの計13課題をただひとり全完登。文句なしのパフォーマンスだった。

 同時に、年間総合ポイントでも3位に急浮上。これまで、楢崎智亜、藤井快、杉本怜などの陰に隠れがちで、いまひとつ目立つ結果を残せていなかったが、最終戦で一気に注目株に躍り出た。

「今シーズンはあまりいい成績を残せていなかったので、今回は負けてもいいからコンペを楽しもうというつもりで臨んだら、結果がついてきました。これまでは自分を追い込みすぎていたんだと思います。僕は集中しすぎるとダメなタイプだということがわかりました」(緒方)

 緒方に続いて2位に入ったのが、日本のエース、楢崎智亜。楢崎は、最大のライバルと目されていたチェコのアダム・オンドラをわずか5ポイント差の僅差で逆転し、年間総合優勝も決めた。

ボルダリングでの日本勢の躍進。

 楢崎にとって、ボルダリング・ワールドカップのシーズンチャンピオンは2016年に続いて2度目。3年ぶりの総合優勝をこう振り返った。

「前回は勢いで勝ってしまったという感じでしたが、今回は実力で勝てた気がします。成長を感じることができたシーズンでした」(楢崎)

 一方、日本人3人が決勝に進んだ女子は、野口啓代2位、野中生萌4位、中村真緒6位。野口は昨シーズンに続いて、年間総合でも2位に入った。

 今シーズンも、男女ともに、毎試合、決勝6人中2~3人が日本人という状況が続いている。

 年間ランキングでも、男子の楢崎1位、緒方3位のほか、藤井快が5位。女子は2位の野口のほか、17歳の伊藤ふたばが4位に入った。日本人選手がもっとも得意とするボルダリング種目。世界が注目するその勢いは、今年も変わっていない。

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