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10年に1度の超豪華な安田記念。
「世界一」アーモンドアイの状態は?

posted2019/06/01 09:00

 
10年に1度の超豪華な安田記念。「世界一」アーモンドアイの状態は?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

現時点で「世界最強馬」との呼び声も高いアーモンドアイ。マイル参戦は桜花賞以来だが、どんな走りを見せてくれるだろうか。

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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Yuji Takahashi

 初の海外遠征となった前走のドバイターフを完勝したアーモンドアイ(牝4歳、父ロードカナロア、美浦・国枝栄厩舎)が、日本のターフに帰ってくる。

 舞台は、第69回安田記念(6月2日、東京芝1600m、3歳以上GI)。アーモンドアイをはじめ、GI馬7頭が顔を揃える、超豪華メンバーの競演となる。

 面白いもので、安田記念は、10年に1度ぐらいの割合で、距離不問の名馬による戦いとなっている。

 10年前の2009年は、ディープスカイとウオッカという、新旧のダービー馬が「2強」を形成した。制したのは1歳上のウオッカだった。その年の天皇賞・秋とマイルチャンピオンシップを勝つカンパニー(4着)や、前年のダービーでディープスカイの2着だったスマイルジャック(9着)も出ていた。

 20年前の1999年は、朝日杯3歳ステークス(旧馬齢)、有馬記念(2勝)、宝塚記念と引退までにGIを4勝するグラスワンダーが1番人気だった。それを、同年のマイルチャンピオンシップも制するエアジハードが2着に下して優勝。ほかに、シーキングザパール(3着)とアグネスワールド(8着)という、海外GI優勝馬も出走していた。

オグリキャップの年もすごかった。

 そして、29年前の'90年は、この安田記念を含め有馬記念(2勝)、マイルチャンピオンシップとGIを4勝した「白い怪物」オグリキャップをはじめ、皐月賞と天皇賞・秋の優勝馬ヤエノムテキ、宝塚記念でオグリを破るオサイチジョージ、前年の安田記念、同年のスプリンターズステークスの勝ち馬バンブーメモリーといった超一流馬が揃った。

 マイルより長いところでも強い馬が安田記念で好走するのは、広くて直線が長く、3、4コーナーが一体となったワンターンの東京芝1600mの形状によるところが大きい。

 前述のウオッカは、阪神ジュベナイルフィリーズ、日本ダービー、安田記念(2勝)、ヴィクトリアマイル、天皇賞・秋、ジャパンカップとGIを7勝している。距離にすると、1600mで4勝、2000mで1勝、2400mで2勝しているわけだ。「競馬はマイルが基本」と昔から言われており、ウオッカはGIを1マイルで4勝、1マイルと1/4で1勝、1マイル半で2勝している、とも言える。

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