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10年に1度の超豪華な安田記念。
「世界一」アーモンドアイの状態は?
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2019/06/01 09:00
現時点で「世界最強馬」との呼び声も高いアーモンドアイ。マイル参戦は桜花賞以来だが、どんな走りを見せてくれるだろうか。
角居「1マイルと1マイル半はリズムが同じ」
この1マイルと1マイル半に関して、ウオッカを管理した角居勝彦調教師は「1マイルと1マイル半は、レースのリズムが同じになる。だからは、どちらかで強い馬は、もう一方でも強いはず」と以前から話している。
ウオッカのダービー出走を決断した背景にも、その考えがあった。桜花賞で2着に敗れたものの(勝ったダイワスカーレットも歴史的名牝だとのちに明らかになる)、阪神ジュベナイルフィリーズなど1マイルで見せた圧倒的な強さから、1マイル半のダービーでも力を出せるはずだ、と。
東京の1マイル半(芝2400m)は、スタートして長い直線を走り、手前を左に替えて1、2コーナーをワンターンで回る。手前を右に戻して長い向正面に入り、また手前を替えてワンターンの3、4コーナーを回り、もう一度手前を戻して最後の長い直線で勝負をする。
東京の1マイル(芝1600m)は、今記した1マイル半の向正面入口からゴールまでとなる。なるほど、同じリズムだ。
アーモンドアイのリズムも順調。
アーモンドアイは、これまで、桜花賞を含めマイルで3勝、1マイル半ではオークス、ジャパンカップと2勝している。桜花賞以来、1年2カ月近く間のあいた久々のマイルを心配する声も聞こえてくるが、マイルのリズムが体に染みついているはずなので、問題ないだろう。
リズムという意味では、前走から2カ月と間隔があくのも、これまでどおりだ。美浦の国枝厩舎と外厩の福島・ノーザンファーム天栄とが連携し、じっくり疲れを取って、それからトレーニングの強度を高めて入厩……というリズムは同じ。私たちは「いつものアーモンドアイ」を見られるはずだ。
アーモンドアイは、シンボリルドルフやディープインパクトに匹敵する、20年、30年に1頭の馬かもしれない。それだけに、凱旋門賞出走を取りやめたのは残念だが、そのぶん、こうして国内で見られることをプラスに受け止めたい。