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ポーランドへ、韓国へ飛んだ「翼」。
苦労人MFは元大学王者の1人だった。
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph byAFLO
posted2019/04/25 17:00
ACLグループリーグF第4節で広島MF川辺駿(左)と競り合う大邱MF西翼(右)。先日、Kリーグ初ゴールを挙げた。
向かった先はポーランド。
西が選んだのは東欧のポーランドだった。大学卒業後の'13年にポーランド4部の小さなクラブからプロ生活をスタートさせる。その後もポーランドのクラブなどを転々とし、一時はレンタルで4カ月ほどスロバキアでもプレーした。
Jリーグを経ずに遠く離れた東欧の地でプロとなり、今や韓国Kリーグの1部へ。ACLで本田圭佑を擁するメルボルン・ビクトリー(オーストラリア)やJリーグの広島と対戦することで、少しずつその名が知れ渡るようになった。
「こうやってACLに出て、日本のメディアに取り上げてもらえることはうれしいことです。ただ、それが目標ではないので……」
西は大学時代に味わった悔しさを忘れてはいなかった。
「韓国でも実は彼らの試合結果をチェックしたりはしています。自分は大学時代にそんな試合に出られなくて、ずっと悔しい思いをしていました。大学を卒業するときに『彼らよりももっとうまくなりたい』っていう思いは常にどこかにあって……。自分はいま韓国でプレーしていますけれど、彼らには負けないようにというか、自分は常に成長したいと思っています。そうしたことをもっと楽しみたい。それが今の目標です。プロとしてもっとレベルの高い試合がしたいんです」
日本と韓国。戦うリーグこそ違えども、アジアでもレベルの高いKリーグでレギュラーに定着し、着実に成長を遂げてきた。
初得点もマーク、目標はベストイレブン。
西は20日のKリーグ第8節の浦項スティーラーズ戦で初ゴールを決めて、3-0の勝利に貢献。現在チームはKリーグで4位につけている。
そんな姿をかつて専修大で輝きを放っていた同世代の選手たちは、どのように見ているだろうか。
「これからは最低限、戦っていけるというところももっと見せつつ、自分の良さももっと出していきたい。今シーズンはフル出場して、ベストイレブンに入ることができればうれしいですね」
悔しさをバネに這い上がってきた“ツバサ”の名を知らしめるための戦いは、これからも続く。