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ポーランドへ、韓国へ飛んだ「翼」。
苦労人MFは元大学王者の1人だった。
posted2019/04/25 17:00
text by
キム・ミョンウKim Myung Wook
photograph by
AFLO
「“ツバサ”だからサポーターやファンにも名前を覚えやすいからいいと思います。ただ、名前の由来は“キャプテン翼”ではないんですよ(笑)」
Kリーグ・大邱FCに所属するMF西翼はそういって笑った。
2018年6月から韓国のKリーグに足を踏み入れた西は、大邱FCファンの間ですぐに“キャプテン翼”と呼ばれたという。
韓国に来る前に在籍したポーランドのクラブチームでも、チームメイトやファンからも“キャプテン翼”と呼ばれていたというのだから、いかにこの日本のサッカー漫画が世界的に有名なのかを知ることができる。
海外でプレーする西にとって、多くの人に覚えやすい名前であることは、アドバンテージなのは間違いない。あとは印象に残るプレーで、チームやファンの信頼を勝ち取るだけだ。
そんな西は韓国に来てから、大きく成長しはじめている。
広島を新スタジアムに迎えた大邱FC。
23日のAFCチャンピオンズリーグのグループF第4節サンフレッチェ広島戦に、西はスタメンで出場した。3-4-3の中盤の底で巧みにボールを受けながら、ゲームの流れを作る役割をこなしていた。
チームに焦りが見えれば、ボールをキープして周囲を落ち着かせてボールを回す。相手に隙があれば、縦パスを入れ、自らも駆け上がってチャンスを作り出す。
今シーズンから新スタジアムとなった「DGB大邱銀行パーク」に集まった約1万人の大邱ファンの大声援は地鳴りのように響き渡っていた。
地の利を生かし、幾度も相手ゴールを脅かしたが広島の堅い守備に阻まれ、ゴールが遠い。結局、前半34分に広島DF荒木隼人が決めたダイビングヘッドが決勝点となり、大邱は0-1で敗れた。
広島を相手に2連敗を喫した西は「アウェーでの広島戦よりもチャンスを多く作れたんですけれど、ゴールに結びつかなかったですね……」と悔しさをにじませた。