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2年連続で下位に低迷するガンバ。
宮本監督の重い言葉とチームの病巣。
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph byGetty Images
posted2019/04/26 11:30
圧倒的な攻撃力を誇った頃のガンバは個性がぶつかりあっていた。今の選手たちは、どうか。
宮本監督に今後求められること。
浦和戦に続くホームゲームだった4月20日の大分トリニータ戦では昇格チーム相手に、5バックを採用。ファン・ウィジョとアデミウソンをベンチに温存し、後半勝負を挑んだガンバは、辛うじて連敗をストップした。
今後、宮本監督に求められるのは「遠藤ありき」のチーム作りからの脱却ではあるまいか。依然、その戦術眼の高さと時折見せる輝きは残しているものの、守備面で明らかに不安を残す39歳の起用法は、チームの浮沈のカギを握ることになるはずだ。
土曜の午後にも関わらず、17727人の観客しか集まらなかった大分戦。それでも昇格組に辛うじてホームで勝ち点1を手にした選手たちを待っていたのは、ブーイングではなく、後半の猛攻を讃える拍手だった。
ユニフォームの左胸で燦然と輝く9つの星は、もはや過去のもの。かつてブラジルで取材していた当時、なんども耳にした決まり文句が、筆者の頭をよぎるのだ。
「カミーザ ナォン ガニャ ジョゴ(ユニフォームで試合に勝つのではない)」
常勝軍団として復権するのか、それとも過去の栄冠にすがるのか――。西の名門は、間違いなくその岐路に立っている。