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国技館にトランプ大統領?
懸念は「警備」と「チケット」。
~伝統文化と政治利用の距離感~
posted2019/04/29 08:30
text by
佐藤祥子Shoko Sato
photograph by
KYODO
令和時代初の本場所となる、5月夏場所。
「新天皇、皇后両陛下の天覧相撲があるのでは?」と大相撲ファンは期待するが、そんななか、千秋楽にトランプ米大統領が観戦し、優勝力士を表彰する可能性があるとのニュースが飛び込んできた(日本相撲協会によると「政府の正式発表がされていないゆえ現段階でのコメントは不能」とのこと)。
そこで懸念されるのが、“超”厳戒態勢が予想される、史上空前の「警備」だ。
中央の土俵を360度から囲み、すり鉢状に座席が配置されている構造の両国国技館。天覧相撲や国賓のためにある2階正面からせり出した「貴賓席」には、専用エレベーターが設置され、隔離されたスペースとなっている。だが、土俵上での表彰を想定すると、その“動線”の警備も重要となる。すでに2月の段階で、土俵周りの桟敷席や枡席チケットを取り扱う相撲案内所に向け、相撲協会から「要人の観覧予定があり、千秋楽の土俵近い正面席は発行しない」旨のお達しが出ていたと漏れ伝わる。そのほか、席によっては「来場者情報」として氏名や住所、電話番号等の事前申告が義務づけられ、観覧当日は身分証明書の持参が通達されてもいる。