ビッグマッチ・インサイドBACK NUMBER
ダーツ、柔術、ポロにプロレスまで。
異業種転身をしたサッカー選手たち。
text by
寺沢薫Kaoru Terasawa
photograph byGetty Images
posted2019/05/01 17:00
キャリアの多くを“23番”で過ごした元オランダ代表・ファンデルファールト。ダーツの世界でも巧みなコントロールは健在?
現役選手もNFL転向を公言?
現役でも、ゆくゆくは別のスポーツでの活躍を目論んでいる選手がいる。トッテナムのイングランド代表FWハリー・ケイン、そしてレスターの元オーストリア代表DFクリスティアン・フクスの2人は、現地メディアのインタビューで度々、「キッカーとしてNFLでプレーしたい」と本気で公言している。
彼らは、フットボーラーとして培ってきたキックの技術が、大好きなアメフトでも絶対に通用すると信じている。大のアメフト好きで知られ、ニューイングランド・ペイトリオッツの名クォーターバックであるトム・ブレイディとも友人だというケインは、「プレミアリーグとW杯でプレーし、それからNFLでもプレーしたら世界最高のスポーツ選手になれる」と“転職”を本気でほのめかす。
左足から高精度のクロスを飛ばすフクスも、「NFLでサッカー選手を獲得したいというクラブがあれば真剣に応じる。僕なら60メートルのフィールドゴールも決められる」と、未来のスーパーボウル出場を大真面目に夢見ている。
プロのサッカー選手になるという大いなる夢を叶えた彼らだが、その時間が終わった後もなお、さらに人生を豊かなものにしようとチャレンジを続けている。
そういえば、ファンデルファールトが憧れたマイケル・ジョーダンもまた、バスケットボールのキャリアを終えた後で野球に挑戦していた。一流のアスリートとは、勝負の世界で生きることをやめられない人種なのかもしれない。