ビッグマッチ・インサイドBACK NUMBER
ダーツ、柔術、ポロにプロレスまで。
異業種転身をしたサッカー選手たち。
text by
寺沢薫Kaoru Terasawa
photograph byGetty Images
posted2019/05/01 17:00
キャリアの多くを“23番”で過ごした元オランダ代表・ファンデルファールト。ダーツの世界でも巧みなコントロールは健在?
ダーツ好きが高じて始まった第2の人生。
スポーツ大国のオランダはダーツ競技も盛んで、元世界王者のライモント・ファンバルネフェルトを筆頭にワールドクラスのプレーヤーを数多く輩出しており、ワールドカップでも優勝歴がある。そんな母国にあって、ファンデルファールトもサッカーの現役時代から趣味でダーツに興じていた。
トッテナム時代には、名前がそっくりなことから同じ曲をファンの応援歌や入場曲にしていた同胞のダーツプロ、フィンセント・ファンデルフォールトとも親交があったし、今年の1月には現世界王者のマイケル・ファンガーウェンとペアを組んで、有名人が集まる「セレブリティ・ダーツ・チャンピオンシップ」というプロアマ混合のエキシビション大会で決勝に進出したほどの腕前を持っている。
そんなダーツ好きが高じて、彼はセカンドライフでプロのダーツ大会に挑戦する道を選び、5月4~5日に開催される「デンマークオープン」という1974年から続く由緒ある大会に参戦することになったのだ。
果たして、彼はピッチでゴールを射抜いたように、ダーツの世界でもファンを喜ばせることができるのか。
'98年W杯優勝メンバーも今や……。
そして、ファンデルファールトと似たような“異業種転身”を果たした元フットボール・プレーヤーは他にも結構いるものだ。
たとえば、1998年のフランス・ワールドカップで優勝したレ・ブルーのメンバーの1人であり、バイエルンなどで活躍した左サイドバックのビセンテ・リザラズは、現役引退後もスポーツの魅力にとりつかれたままだった男。
プロ級の腕前だというサーフィンをしてみたり、スケルトンでオリンピック出場を目指してみたりとさまざまなことにチャレンジし、行き着いたのがブラジリアン柔術だった。'09年には柔術家として欧州大会に出場し、「シニア1青帯」というカテゴリーで見事優勝を果たしている。
そのリザラズとフランス代表でチームメートだった元GKのファビアン・バルテズも“華麗なるセカンドキャリア”の持ち主だ。
フットボーラーに車好きは多いが、彼の場合は度を越していたのか、'07年に引退後はモータースポーツ界へと進出。'13年のフランスGT選手権で優勝したほか、ル・マン24時間耐久レースにも出場するなど、一流のレーサーとして成功を収めている。