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チームも選手も変えた名将。
日本バレーにささげた6年間。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJapan Volleyball League Organization
posted2019/04/23 17:00
退団セレモニーでイゴール(左)とともに笑顔を見せたアンデッシュシニアヘッドコーチ(右)。就任3年目に優勝に導くなど、チームの躍進の立役者に。
選手発案のセレモニー。
3月24日の試合後に急きょセッティングされたセレモニーも、選手たちの発案で行われたものだった。
高松は感謝を込めてこう語る。
「間違いなく言えるのは、アンデッシュが来る前よりもバレーが好きになったということ。どうやったらうまくなれるかを、本当の意味で教えてくれた人。
以前は練習するのがあまり好きじゃなかったし、自分はこれぐらいなんだろうなと思っていたけど、技術や戦術などいろんなことをアンデッシュに教えてもらって、向上心が芽生えて、今は練習以外の時間も、自分がどうやったらうまくなれるかを考えるようになった。この歳(31歳)になった今でもバレーがうまくなっているという自覚があります」
主将の古賀幸一郎も、「この6年間は間違いなく我々選手のバレーボール人生において大きな宝物になると思う。もっと一緒にやりたかった」と別れを惜しんだ。
敵将も賞賛するアンデッシュの功績。
アンデッシュの影響は、豊田合成の中だけにとどまらない。他チームも多かれ少なかれ影響を受けてきた。東レアローズの小林敦監督は大きな影響を受けた1人だ。
「彼が日本に持ち込んだものは本当に大きな財産だと思います。例えばチーム作りにしても、ディフェンシブなウイングスパイカーを必ず1人入れるとか、相手とのマッチアップを考えてスタートのローテーションを試行錯誤するとか。
彼は、当たり前のことや、日本人がやっていけば詰められるようなことを、キチッキチッと詰めてきたんじゃないか。今いるメンバーで何ができるかをしっかりと詰めていくことで、豊田合成をあのレベルのチームにしあげていったと感じます」