ぼくらのプロレス(再)入門BACK NUMBER
もはやプロレスに男女の差はない!
レッスルマニアで起きたビッグバン。
text by
堀江ガンツGantz Horie
photograph by2019 WWE, Inc. All Rights Reserved.
posted2019/04/16 11:00
(左から)ロンダ・ラウジー、ベッキー・リンチ、シャーロット・フレアーの“3WAY”決戦がメインを飾ったレッスルマニア。女子レスラーのメインは同大会史上初の試みだった。
女子プロレス新時代の顔が集結。
今回、そんなロンダの前に立ちはだかったのが、シャーロット・フレアーとベッキー・リンチだ。
シャーロットは、16回世界王座を獲得したリック・フレアーの血を引くWWEの女王。ベッキー・リンチは、昨年から急激にブレイクし、シャーロットから女子スマックダウン王座を奪ったこともある新たなカリスマだ。
いずれも女子新時代の顔となれる役者が揃い、RAW王者ロンダ、スマックダウン王者シャーロット、女子ロイヤルランブル優勝者ベッキーによる女子頂上決戦が、「レッスルマニア35」のメインイベントとなった。
父を真似たシャーロット、ラウジーは“ゴンタ顔”で。
この記念すべき一戦は、まずシャーロットが上空からヘリコプターに乗って登場。ヘリを降りると、レッドカーペットが敷かれる中、豪華なガウンを着て、威風堂々とアリーナに姿を現した。
これは'85年に第1回「レッスルマニア」に対抗して行われた、当時のライバル団体、NWAクロケットプロモーションのビッグイベント第1回「グレート・アメリカン・バッシュ」で、シャーロットの父リック・フレアーが、ヘリでスタジアムに登場したことへのオマージュだ。
続いてロンダ・ラウジーが、UFC時代から使用する入場テーマ曲「Bad Reputation」を、ジョーン・ジェットが生歌・生演奏するなか“ゴンタ顔”で入場。そして最後、ベッキー・リンチが入場自体は一番シンプルながら、もっとも大きなファンの声援を浴びながら入場してきた。そしてゴング。
試合は、3者がそれぞれ意地の張り合いを展開しながら、得意技を繰り出していき、最後はシャーロットがリングに持ち込んだテーブルに激突してダウン。ロンダ・ラウジーはベッキー・リンチをファイヤーマンズ・キャリーで抱え上げ、そのまま一気にパイパーズ・ピット(ひねりを加えた高速ブロックバスター)で、マットに叩きつけた。その瞬間、リンチが回転十字固めで切り返し、3カウント。
女子頂上決戦は、ベッキー・リンチがロンダ・ラウジーを下し、ロウ&スマックダウン統一王者に輝いた。試合後、メットライフ・スタジアムは大歓声に包まれ、3人の女子スーパースターは「レッスルマニア」メインイベントの重責を見事に果たしたのだった。