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萩野、池江不在の中で競泳陣が不振。
平井コーチ「分析していかないと」。 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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posted2019/04/10 10:00

萩野、池江不在の中で競泳陣が不振。平井コーチ「分析していかないと」。<Number Web> photograph by AFLO

大橋悠依のようにしっかりと結果を残した選手はいる。東京五輪を来年に控える中で日本競泳陣はどう立て直していくか。

平井氏が掲げた日本代表の課題。

 それらの言葉は、平井氏の推測とも関連する。

「全体的に重苦しい雰囲気をずっとひきずった大会だった」(平井氏)となった理由は、今後、さらに検討されていくことになる。

 まだ大会が終わったばかりの今、明確に見えるわけではない。ただ、そのタイミングの中、今後の日本代表の課題として平井氏が掲げたことがある。それはチームワークと、コミュニケーションを図ることだった。

「'17年の日本選手権の結果を受けて、下期に代表合宿を実施しました。そうしたら('17年より)ハードルは上がっているのに、'18年はたくさん日本代表に選ばれた。ただ今回は、各々での強化でした。

 例えば遠征に一緒に行ったことのある同級生、チームメイトが頑張ったとき、『あの人が頑張っているから自分ももっと頑張れるんだ』と自分の力に変えられるようなチームワークが必要と感じています」

五輪前年だったことは幸いだろう。

 日本競泳は20年以上にわたり、個人種目ではあってもチームとして戦うという方針で強化が図られてきた。

 チーム力を養うことで個々では容易に立ち向かえない大舞台での重圧をはねのけて力を発揮できる、そんな考えがあった。チーム化を積極的に取り組んできたことが、低迷を脱け出しての華々しい活躍の支えとなってきた。

 もちろん今大会に臨んだ選手たちにも責任感があり、目指すべき舞台への強い思いもあった。それが形にならなかったからこそ、長年日本代表に携わっている平井氏はその理由を思案していた。連鎖的に不振の選手が相次いだのだから当然だろう。

 オリンピック前年の日本選手権だけに、低調ぶりがクローズアップされる面はある。ただ、今が2020年でなかったのは幸いだろう。オリンピックの前年に浮き彫りになったことで対策をとれるからだ。

【次ページ】 今回の代表は一発選考ではない。

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