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藤沢和雄、ぶっつけで桜花賞2勝目。
グランアレグリアと20年前の記憶。
text by
平松さとしSatoshi Hiramatsu
photograph byKyodo News
posted2019/04/09 07:30
中111日という異例のローテでも強さを見せつけたグランアレグリア。藤沢師のプランは成功した。
奇をてらって挑ませたのではない。
スティンガーが引退する際、私は伯楽に次のように声をかけた。
「いずれまた休み明けで桜花賞に挑み、今度は勝ってみせてください!」
すると、藤沢師はフッと息を吐くように笑った後、答えた。
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「それは違う。私は奇をてらって休み明けで挑ませたわけではない。あくまでもスティンガーの体調を考えてそうしただけ。何も意地になってぶっつけで挑むつもりはないですよ」
その後、藤沢師が桜花賞に出走させた馬は、先述のダンスインザムードやソウルスターリングなど、昨年までで計8頭。そのうち年内初戦が桜花賞だった馬はスティンガーただ1頭。
つまり今回のグランアレグリアはそれ以来、2頭目のぶっつけでの挑戦だったわけだ。
ちょうど20年前の雪辱を果たしましたね? などと声をかければ、67歳となった大調教師はきっと次のように答えるのではないだろうか。
「何も意地になってぶっつけで挑ませたわけではないよ」と。