オリンピックへの道BACK NUMBER
順位や点数に収まらない美の衝撃。
世界選手権の羽生結弦の忘れがたさ。
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph byAsami Enomoto
posted2019/04/04 08:00
羽生結弦の世界選手権は2位に終わった。しかし、その言葉から溢れる真実が確かに存在した。
数字で見れば2位だとしても。
記録だけを見るならば、ネイサン・チェンの前にショート、フリーともに遅れをとっての2位で終えたのが、2019年の世界選手権の羽生の演技である。
しかしそこには、記録には収まらないものがあった。のちのちまで記憶されるべき演技であった。
大会からしばし時間が過ぎた今も、その実感に変わりはない。
世界選手権で見せた羽生結弦の演技は、少なくともフリーは、そのような演技であった。
自身の誇りと意地を100%かけた時間がそこにあった。
それはスポーツでよく議論される、「記録」と「記憶」の意味合いをあらためて考えさせる機会でもあった。
記憶に残る演技を見せた羽生結弦は、大会へいかにして臨み、大会期間中どのように過ごしてあのフリーを迎えたのか。フリーを経て、何を感じたのか。今日発売のNumber PLUS『2018-2019 フィギュアスケート 銀盤の不死鳥』では、今シーズンをも踏まえたドキュメンタリーが掲載されています。雑誌だけで見られる、ポートレート写真も満載です! 是非お買い求め下さい。