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G大阪MF高「今さんに負けたくない」
元市船10番が辿る守備職人の系譜。
text by
下薗昌記Masaki Shimozono
photograph byJ.LEAGUE
posted2019/03/29 17:00
川崎戦では相手のチャンスの芽を摘む働きを見せたMF高。まずはチームでの定位置確保を目論む。
「ガンバで試合に出続けて勝つ」
そして今、ガンバで「守備職人」としての道を歩み始めている若武者は、フロンターレ戦の勝利で確かな手応えを掴もうとしている。
「ボールを奪うとかセカンドボールを回収するのは、時間が経つに連れてやれるようになったけど、家長(昭博)さんは強かった。そこに食らいついて、奪えるようにならないといけない」
自らが東京五輪世代に属することは高も承知済みである。市立船橋時代の同期である原輝綺(鳥栖)と杉岡大暉(湘南)は、AFC U-23選手権タイ2020予選でもメンバー入りしている。
「悔しさはありますよ。高校卒業後の進路も、アイツら2人が先にプロに決まって、僕は後からガンバに決まった。代表も僕は縁がないのにあの2人は常連で中心としてやってますよね。尊敬もしていますけど、負けたくない思いもあります」
ただ、地に足のついた高は、あえて、東京五輪を過度に意識することはないという。
「正直、今は五輪代表のことは頭になくて、ガンバで試合に出続けて勝つことだけを考えています」
課題も多いが、可能性も無限大――。高宇洋は臆することなく、鉄人とのポジション争いに挑む。