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先発ローテ、2桁勝利も期待できる。
畠世周は巨人復権のキーマンだ!
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2019/03/26 11:30
3月20日の日本ハム戦で上々の仕上がりを見せた畠世周。背番号も新たに「31」となり、勝負のシーズンに挑む。
リリーフ起用は宝の持ち腐れ。
休養十分でマウンドに上がると150キロ台の真っ直ぐを連発して、相手打者を力でガンガンねじ伏せていく。場合によっては回をまたいで2イニングでもピシャリと押さえ込んで涼しい顔でベンチに戻ってくる。
ところがそれが連投になると、からきしなのである。前日の快投を信じて、翌日もリリーフのマウンドに送り出すと、そこには別人とまでは言わないまでも、前日の勢いとは全く違う畠がいる。球威が落ちて真っ直ぐで抑えきれずに連打を浴び、手痛い一発を食らってしまうケースが何度かあった。
要は登板後の回復が遅いのである。
クローザーなら2連投は当たり前。場合によっては3連投というケースも考えなくてはならない。投手としての能力は、まさに守護神にピッタリの畠なのだが、連投になるとその力を十二分に発揮できない。となればこの右腕にクローザーを含めたリリーバーという役割は難しい、というより無理だった。畠をリリーフで使うのは、むしろ宝の持ち腐れになってしまうということだ。
またも畠に試練が訪れる。
先発一本。
原監督の就任で畠に用意された今季の舞台である。
ところがこの右腕はまたも、自分との戦いに負けた。
昨秋のキャンプで右肩の変調を訴えてチームを離脱し、その影響で春季キャンプも二軍スタート。それでも何とか開幕前ギリギリのオープン戦で結果を残して、滑り込んだわけである。
逆にいえばたった1度の先発で一軍はおろか、先発ローテーション入りの切符を渡されたのだ。どれだけ首脳陣が畠の力を評価し、期待をしているか。畠が巨人のトッププロスペクトである表れである。