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就活は新日本プロレス株式会社へ!
棚橋弘至が「欲しい人材」とは?
posted2019/03/20 08:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
後楽園ホールには就活スーツ姿の学生が約500人きちんと座っていた。いつもの風景とは明らかに違う。
3月18日、2020年3月卒業見込みの学生らに対する新日本プロレスの新卒採用会社説明会が行われた。
新日本プロレスは現在「ニュージャパンカップ」のシリーズ中(決勝戦は3月24日、アオーレ長岡)で、前夜もここ後楽園で試合が行われていた。そしてフロアにはリングがそのまま残されていた。
ハロルド・ジョージ・メイ代表取締役社長兼CEOがリングに上がってプレゼンテーションが始まった。
メイ社長が新日本プロレスにやって来て10カ月になる。ゲーム会社「ブシロード」の創設者である木谷高明氏に請われての就任だった。オランダ人だが、人生の半分を欧米の企業で働いてきた。これまでにハイネケン、サンスター、日本コカ・コーラ、タカラトミーなど多くの会社で手腕を振るってきた。
手慣れた感じでプレゼンテーションは進んだ。
女性が働きやすく、外国人社員も多い。
メイ社長は新日本プロレスを「意外なほどちゃんとした会社だ」と表現した。
システムとか整っていないんじゃないか、と最初は思っていたようだがちゃんと回っているし、女性も働きやすい。外国人社員も多く、グローバル化している。
現在、新日本プロレスにはレスラーを除いて約80人の社員がいて、その男女の比率は7:3とのことだった。
スクリーンには多くのグラフやチャートが映し出されていた。
新日本プロレスは1972年に設立されて47年の歴史を重ねた。ただ、当初の約10年間の経営的なデータは残っていない。現存するのは1982年以降のものであることにも触れた。
そこから1990年代までの「ゴールデンと呼んでいる黄金期」があった一方で,2000年代の「暗黒の時代」と呼ばれた経営不振の期間があったことを明確に示した。
2012年にブシロードの傘下になった後の6年間での復調ぶりは「V字回復」とビジネス界でも注目された。
プロレスは究極の「コト」体験だとメイ社長は言う。試合場に来て盛り上がる一体感。新規のお客さんを開拓して、そのロイヤリティも向上させて、選手が映画に出演したり、新しい商品を開発したりしている。