濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
武尊と那須川、同日にメインで決戦!
“興行戦争”がもたらした相乗効果。
posted2019/03/19 10:30
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph by
Takao Masaki
昔から「なんとかならないのか」と言われ続けて、結局「なんともなっていない」のが格闘技イベントのバッティング、いわゆる“興行戦争”である。
会場使用予約は他ジャンルとの競合だから主催者としても致し方ないのだが、ビッグマッチの同日開催は悩ましいところ。ファンの食い合いになるし「どっちも見たかった」というファンだって多いはずだ。
3月10日には、人気立ち技イベントK-1とRISEが同日開催となってしまった。K-1がさいたまスーパーアリーナ、RISEは大田区総合体育館と、ともにビッグイベント。しかもメインにはそれぞれ武尊、那須川天心が登場する。
現在の日本格闘技界を代表する人気選手2人の試合が首都圏で重なったわけで、こうなると“興行戦争”かつ“頂上決戦”だ。ビッグイベントだから、もちろんセミファイナル以下のカードも気合いが入っている。
画期的なネット同時中継。
画期的だったのは、この2大イベントを無料インターネットテレビ「AbemaTV」が同時生中継したことだ。那須川の試合が同局で中継されるのは、これが初である。
パソコンとスマートフォンで2大会を同時に流す“在宅”ファンもいただろうし、どちらかの会場でもう一方をチェックしていた人も少なくないのではないか。局側は「#0310アベマの格闘どっち見る」というSNSのハッシュタグを使って同時中継であることを強調した。
筆者はその日の日中、名古屋で別取材があり、終盤だけK-1を現場取材。新幹線と上野東京ラインの車中で、両方の大会を切り替えながら見ていた。
格闘チャンネル1がK-1、チャンネル2がK-1のバックステージ風景、チャンネル3がRISEだからスワイプ2回、指を2回振ればさいたまスーパーアリーナと大田区総合体育館のリングサイドを行き来できた。