息つく暇もない、圧倒的な密度。

　実際にやってみると、これが凄まじい密度だった。

　K-1の試合が1つ終わると、次の試合の煽りV（見所紹介映像）が始まる。大会場だから入場も長い。そこでRISEにスイッチ。RISEで1試合終わればまたスイッチ。お目当ての試合があれば途中で切り替えてもいい。ラウンド間のインターバルに「K-1は（RISEは）どうなってるかな」となったりもする。

　というわけで、息つく暇などなく、次から次へと試合また試合の連続で切れ目がないのである。繰り返しになるが、ビッグマッチゆえ注目の試合の連続。じっくり“鑑賞”したとは言えないけれど、それは「見逃し配信」でもできる。

「天心キック」で圧巻のKO！

　筆者がK-1の会場に到着してしばらくすると、スマホの画面に那須川が出てきた。午後8時すぎだ。

　この日の那須川の試合は-58kg世界トーナメントの1回戦。

　対戦相手のフェデリコ・ローマを、那須川は文字通り一蹴した。序盤のラッシュで主導権を掴み、その後はローマの粘りもあって「慎重になった」というものの、3ラウンドにきっちりフィニッシュしている。

　蹴り足を取っての左ストレートで1回目のダウン。トドメを刺したのは右手をマットにつけ、体を大きく傾けて倒立するような体勢で放つハイキックだった。カポエイラ式の蹴り、技の使い手の名前から「子安キック」、「センチャイキック」とも呼ばれるが、那須川が出したのは変形バージョンの「天心キック」とのこと。

　自身の名を冠した“新必殺技”でKOとは見事としか言いようがない。

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