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本田圭佑がACL凱旋後に話したこと。
厳しさの中に見え隠れする「願い」。 

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キム・ミョンウ

キム・ミョンウKim Myung Wook

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posted2019/03/13 17:00

本田圭佑がACL凱旋後に話したこと。厳しさの中に見え隠れする「願い」。<Number Web> photograph by Getty Images

広島に敗れるも同点ゴールを上げ、存在感を示した本田。試合後には日本サッカー発展を願うゆえの厳しい言葉も飛び出した。

サッカー以外のことも考えさせられた広島戦。

 今回の日本凱旋で本田の言葉から感じていたのは、サッカーを続けながらも、世界をよりよいものにしていくための思考を今もなお持ち続けていることだった。

「短期的な目標は東京五輪です。中長期的な目標は人がお互いを尊敬して信じ合える世界の実現を夢見ています」

 去年の10月、本田が朝鮮学校を訪問したときの想いを聞くため、書面を通じてだが、単独インタビューする機会に恵まれた。その中で最後に聞いた「これから目指すこと」に対する回答がこれだ。

 今回の広島での試合に、本田が特別な思いを抱いていたのは間違いなかった。彼が改めて自身の生き方について考えるきっかけを得たと私が確信したのは、広島戦の前日会見が行われた3月11日、東日本大震災から8年を迎える日にこんなことを語っていたからだ。

「早いですよね。もう8年かと率直に思います。同時に今、広島にいて、原爆ドームにも足を運んだんですけれど、もう70年以上も経つんですよね。試合をしに日本に帰ってきたんですけれども、タイミング的にはサッカー以外も考えさせられる機会があって……。(広島に来たことで)いい意味で、人として、サッカー選手として、どう生きていくのか考えさせられる訪問になっています」

「まだまだ伸びしろがある」

 すでに公に語っている本田の短期的な目標は、「東京五輪に出場すること」であるが、将来的に実現したいのは「人がお互いを尊敬して信じ合える世界の実現」である。

 人として、サッカー選手として、どう生きていくのか――。日本を訪れることでそのことを“再確認”したと強調していた。

 今回のACLでの“日本凱旋”が、本田にとっては日本のファンにピッチで躍動する姿を見せることだけでなく、日本のサッカー発展のため、自分の生きざまを多くの人に伝えたかったのかもしれない。

「まだまだ伸びしろがあると思っている」

 ゴールを決め、試合終了後にこう語っていたが、やはり向上心の塊だ。誰がなんと言おうと、本田は目標達成のために突き進む。

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本田圭佑
サンフレッチェ広島
メルボルン・ビクトリー

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