“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
「岐阜ならサッカー上手くなるぞ」
山岸祐也が信じた大木監督の言葉。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/03/13 07:00
岡山戦では前線からの激しいプレスでゴールを呼び寄せた山岸祐也。今季の目標は10ゴールと自信を見せる。
移籍1年目、開幕スタメンを果たすも……。
キャンプを過ごした山岸は、'18年J2第1節・アビスパ福岡戦でいきなりスタメンの座を勝ち取る。しかし、チームは0-2の敗戦。すると第2節のホーム開幕戦となった横浜FC戦では、ベンチどころかメンバーからも外されてしまった。
「確かに俺の調子が良くなかったとはいえ、いきなりの“2段階落ち”には納得いかなかった。大木さんは選手に対して『監督室のドアはいつでも開けている』と言われていたので、翌日になぜ僕がベンチ外になったのか、直接聞きに行きました。
今思えば生意気だったのかもしれません。ただ大木さんはその年のキャンプの最初の練習試合(V・ファーレン長崎戦)で自分が2点取ったことに触れて『この選手を獲って正解だし、できる選手だと思った。だけどキャンプをこなしていく中で、お前は思うほど調子を上げなかった。開幕戦でも調子が上がってなかったから、次は外した』とはっきりと答えてくれました」
大木監督への確固たる信頼。
「その他にもズバズバ指摘をしてくれて、自分の中でも、大木さんの言う通りだなと思ったんです。最後には『俺はお前ならもっとできると思う』とも言ってくれました。
その時点で大木さんへの信頼がさらに深まりました。はっきりと言われた分だけ、しっかりコミュニケーションをとれた。外される可能性もあるけど、大木さんは違った。それでスッキリすることができました」
山岸は、その後すぐにスタメンに返り咲くも、怪我などの影響もあり、最終的にはリーグ31試合4ゴールにとどまった。
しかし、大木監督への絶大な信頼が、自身にとてつもなく大きな変化をもたらしていた。