プランが崩れた高橋の退場。

　高橋秀人が2枚目のイエローをもらい、退場したのだ。

「高橋秀人の退場がチームにもたらした影響は非常に大きかった」

　カレーラス監督は、残念そうにそう言ったが、この退場でクエンカを入れて点を取りにいくプランが難しくなった。それでも3枚になった中盤の高橋義希、松岡大起、福田晃斗が必死に走り回り、なんとか失点せずに持ち堪えていた。

　しかし、後半43分、小川諒也の強烈なシュートを三丸が体に当てて、痛恨のオウンゴールを献上してしまった。

「ゴールカバーに入ろうと思って、入ったんですけど、ボールスピードが速くて体が反応しきれなかったです。この失点がなければ勝ち点を拾えていたと思うので悔しいです」

　三丸は、悔しさを露わにして、そう言った。

　時間的にも厳しく、数的に不利な状態での失点に選手の気持ちは折れた。

　終わってみれば2－0での敗戦になったのである。

4バックは機能した、課題は攻撃陣。

　ただ、このゲーム、スコアほどの差がなかった。

　崩壊していた守備は4バックにしてコンパクトにすることで機能し、前半は良かった。この守備のやり方を続けていけばなんとかなるという先が見えてきたのはポジティブな成果だろう。

　問題なのは、攻撃だ。

　リーグ戦、このFC東京戦も含めて3試合で得点ゼロである。

　これではさすがに勝つことはできない。

　この日は前線が左シャドーに松岡、トップ下に趙、右シャドーに金崎、ワントップにトーレスが置かれていたが、この4人の連係がもうひとつかみ合っていない。昨年は2トップでトーレスと趙、あるいは金崎で2人の選手がうまく絡んでバランスも良かった。

　今年、トーレスはボールが欲しくて下がってくる傾向にあり、すると前線は誰もいなくなってしまう。前にいてこその脅威だと思うのだが、徹底し切れていない。また、今回、金崎がシャドーに置かれたが、他選手と絡むことが少なく、ほぼ見せ場もなく、クエンカと交代した。金崎はボックス内やその周辺でプレーしてこそ活きる選手、サイドに張る状態では彼らしさが発揮できていない。

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