「焦らないでじっくりやる」

　そんな2人にシューマッカーコーチは「2人とも能力が高くて、いい選手だ。でもうちの練習に慣れるには時間がかかる。焦らないでじっくりやっていこう」と声をかける。

　しかし、荒井、遠藤はもちろん、預かっているほかの日本人選手を東京五輪に連れて行きたい、とこっそり打ち明けてくれた。シューマッカー氏はチーム全員を代表入りさせることを目標にしている。

　1500mは記録が世界レベルに達しておらず、東京五輪を最後に男女ともに日本から代表選手が出ていない。また5000mは男子はシドニー五輪の高岡寿成以降、決勝進出者がいないのが現状だ。

　アメリカで練習する荒井、遠藤をはじめとした実業団勢が日本のトラック勢を牽引し、歴史を塗り替えるのを楽しみに待ちたい。