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久保裕也、原口元気、浅野拓磨……。
ブンデス残留争いを戦う日本人選手。 

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島崎英純

島崎英純Hidezumi Shimazaki

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photograph byGetty Images

posted2019/03/08 10:30

久保裕也、原口元気、浅野拓磨……。ブンデス残留争いを戦う日本人選手。<Number Web> photograph by Getty Images

未だ無得点と苦しいシーズンを送る久保裕也。残り10試合、降格圏脱出の突破口となれるか。

主力放出で不穏な空気が漂うアウクスブルク。

 続いて15位のアウクスブルク。こちらもなかなかに不穏で、クラブフロントと選手側との不和が囁かれています。

 ブラジル人MFカイウビのグラスホッパー(スイス)へのレンタル移籍は、カイウビ自身の無断帰国や音信不通が問題でしたが、絶対的レギュラーだったDFマルティン・ヒンターエッガーが今冬フランクフルトへレンタル移籍した一件は、今でも尾を引いています。

 こちらはヒンターエッガーがマヌエル・バウム監督を公の場で批判したことが一因ですが、ヒンターエッガーの発言は、シュテファン・ロイターSD(スポーツディレクター)が終始監督を擁護するばかりでクラブ体制のリニューアルに弱腰な状況に選手側から発せられたアラート信号だったと分析する向きもあります。

 そんなこんなで、ヒンターエッガーは現在レンタル先のフランクフルトでレギュラーを務めており、アウクスブルクとしては大きな戦力ダウンであることは間違いありません。第24節の首位ドルトムント戦で2-1の勝利を収め、現状は安全圏に位置していますが、元ドイツ代表GKのイェンス・レーマンが急遽アシスタントコーチとなるなど、アウクスブルクではまだまだ火種が燻っている様子なので、最後まで油断は禁物でしょう。

残留争いを左右する裏天王山。

 そんななか、3月3日に16位シュツットガルト対17位ハノーファーという“裏天王山ゲーム”を取材にシュツットガルトへ行きました。

 試合前の時点で、シュツットガルトとハノーファーの勝ち点差は「2」。つまり、勝者が入れ替え戦に臨む16位、敗者が降格圏内の17位となる一戦でした。

 シュツットガルトは、メルセデス・ベンツで有名なダイムラー社やポルシェ社などの本社が置かれる自動車産業の中心地で、市章はポルシェとフェラーリの跳ね馬のデザインの元にもなっています。フランクフルトから高速鉄道のICEを利用して、シュツットガルト中央駅からはドイツ鉄道Sバーンでメルセデス・ベンツ・アレナへ向かいました。

 ところが、30分以上待ってもスタジアムの最寄り駅へ行くSバーンが来ません。他にも地下鉄Uバーンが臨時電車を出しているので、そちらを利用すれば良かった……。結局、別の目的地に行くSバーンで1つ前の駅で降り、約2kmの道のりを歩く大誤算。いきなり出鼻を挫かれてしまいました。

【次ページ】 原口がアシストを記録するも……。

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