“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
大宮帰還で湘南仕込みの足を駆使。
石川俊輝に「なあなあ」はない。
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2019/02/27 10:30
走る湘南を経て育成組織時代に所属した大宮へ。石川俊輝としては覚悟を決めてJ1昇格に挑む。
来ただけでは満足できない。
石川はまっすぐに前を見つめた。間違いなく彼は大宮の中心選手となって、思い出の場所に帰ってきた。
これまで着実に成長という名の階段を登ってきた男だからこそ、些細なことで踏み外すことなく、自分を表現できている。それはこれからも変わらない。
「アルディージャの人間としてJ1の舞台でカップを掲げたいですし、そのためにはまずJ2の厳しい戦いをしっかりと戦い抜かないといけない。今はチームがJ1昇格することだけを考えて、必死にやりたい。来ただけで満足するのではなく、勝ちに来たので、それを大事にしたい。
それに……ベルマーレの(J1)開幕戦を見ましたが、相変わらずみんな成長しようとする意欲がピッチから見て取れましたし、実際に成長している選手もいたので、僕自身も負けていられないなと思いました。僕をプロとして育ててくれただけでなく、僕の決断を尊重し、快く送り出してくれたベルマーレには感謝の気持ちしかない。だからこそ、アルディージャで『なあなあ』なプレーなんて絶対にできませんから」