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「F1大阪GP」開催の可能性は?
実現すれば日本初の公道レース。
text by
尾張正博Masahiro Owari
photograph byGetty Images
posted2019/02/25 08:00
F1公道レースと言えばモナコが代表格。F1世界選手権発足以来、同じコースで開催され続けている。
“1カ国2開催”の例外もある。
「1カ国1開催」が原則とはいえ、例外もある。スペインでは、好景気だった'08年から'12年までの間、バルセロナでのスペインGPのほかに、バレンシアで「ヨーロッパGP」と冠して、1年に2度、F1が開催されていた。
またミハエル・シューマッハーの活躍でF1ブームが到来したドイツでも、ホッケンハイムリンクでのドイツGPとは別にニュルブルクリンクで「ヨーロッパGP」が開催されていた時代がある。
日本でも'94年と'95年に「パシフィックGP」の名前で、岡山県のTIサーキット英田(現在は岡山国際サーキット)でF1が開催されたことがある。吉村大阪市長が「日本GP」とは言わずに「F1大阪グランプリ」と語っているのも、そのへんの事情を考慮してのことだと考えられる。そうなると、鈴鹿での日本GPは毎年、秋に開催されているので、春の開催が現実的か。
ただし、F1を開催したいと立候補している都市は、大阪だけではない。アメリカのマイアミは'20年の開催を目指しており、F1の開催権を持つリバティ・メディアは、ベトナムGPの次はフィリピンでのF1を目指しているという。また中国でも2つ目の開催が囁かれている。
大阪で万博が開催されるのは'25年。時間はあるが、超えなければならないハードルは少なくない。果たして夢洲の公道をF1マシンが疾駆する日は来るのか――。