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<投球術分析>
江夏豊「鶴岡が引き出した藤浪の“進化”」 

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photograph byNanae Suzuki

posted2015/09/03 06:00

<投球術分析>江夏豊「鶴岡が引き出した藤浪の“進化”」<Number Web> photograph by Nanae Suzuki
藤浪のボールが進化している。その成長の秘密を解くカギは、左打者への配球術にあった。

 今季の藤浪晋太郎は、“エース格”と呼んでもいいくらいの素晴らしい投球内容を見せている。

 着地する左足が三塁側へと流れるインステップが欠点だと昨季まで指摘されていた。インステップして左打者のインコースに投げ込もうとすると、どうしても力んでコントロールが乱れてしまう。カットボールは投げられるが、直球とスライダーを放れなかったのだ。

 ところが、5月14日のヤクルト戦で鶴岡一成と今季初めてバッテリーを組むと、左バッターのインサイドに鋭い速球で攻めることができていた。今までの力任せの投球が、なぜ改善されたのか。よくよく観察すると、その秘密は鶴岡のリードにあった。


 鶴岡はインサイドを攻める前に、ボールからストライクになるアウトコースのスライダーを要求していた。これが面白いように決まる。このスライダーでカウントをひとつ稼げた結果、次のインサイドへのボールは余裕を持って投げられる。さらに、外側と内側の2種類のボールを使い分けることによって、投球の幅が大きく広がることにもなったのである。

 この配球は鶴岡が編み出したものなのか、外側にスライダーを要求したら結果的にうまくいったのか。それはわからないが、このリードを発見したおかげで、藤浪は力むことなく左打者の懐を攻めることができるようになり、この試合は9奪三振1失点の完投勝利。自身の4連敗をストップすることができた。次に鶴岡と組んだ5月20日の巨人戦も、10奪三振のプロ入り初完封で勝利している。続く楽天戦では13奪三振。2桁の奪三振は、バッターにとっては脅威となり、心理的に優位に立てる。

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