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訃報に記憶が甦る――猪木対アリの“現場”。~日本プロレス界への貢献度~
text by
門馬忠雄Tadao Monma
photograph byEssei Hara
posted2016/06/26 17:00
2014年に『燃えろ!新日本プロレス』シリーズ(集英社)でDVD化された際にも話題に。
20世紀を代表する大スター、モハメド・アリさんが遂に力尽きた。プロボクシングの元世界ヘビー級王者は6月3日、米アリゾナ州フェニックスの病院で敗血症で亡くなった。74歳だった。
40年前のメモリーが甦る。あの世紀の一戦といわれた1976年6月26日、東京・日本武道館で行われたアリvs.アントニオ猪木の異種格闘技戦。主催は新日本プロレス、NETテレビ(現・テレビ朝日)、東京スポーツ新聞社。当時、筆者は東スポのプロレス担当、いわば当事者である。決戦前夜の25日からアリ陣営の宿舎ホテルに張りつき、喧騒と興奮の渦の真っ只中にいた。現場で雑用に追われ、何が何だかわからぬうちに2日間が過ぎた。