【NSBC補講I】 池田純のスポーツビジネス補講BACK NUMBER
アスリートが現役を退いた後の人生。
池田純「人に憧れられる生き方を」
text by
池田純Jun Ikeda
photograph byGetty Images
posted2019/02/20 07:00
「バスケットボールの神様」と呼ばれるジョーダン、最近ではeスポーツの会社へも投資を行なっている。
ファッションアイコンになったサーファー。
先日、私はミクロネシアのポンペイ島に行ってきました。サーフィンをするためです。飛行機を何回も乗り継いでようやくたどり着けるその地には、有名サーファーたちがビッグバレル(樽のような形をした波)を求め、世界中からこぞって集まっています。
そこにたまたま来ていたのが、オーストラリア出身のウェイド・グッドオール。彼はサーフィンの世界以外ではあまり知られていないかもしれませんが、大会などには出場しないフリーのサーファーにもかかわらず、2万人近いInstagramのフォロワーがいます。おまけにアパレル/シューズメイカーのVANSと契約して、Tシャツやシューズも販売しています。
そして、彼が波に乗っている姿を撮影した写真や動画はほんとうに素晴らしく、人の心を大きく動かす力があるのです。サーフィンの世界を超えて、若者やおしゃれな生き方をしたいと思っているひとたちのファッションアイコンとしても、注目を集めるようになりました。
ボルトやジョーダンの生き方。
また、他の競技でも、誰もが知るスーパースターが、新しい世界を切り開いています。
たとえば、陸上短距離100mの世界記録保持者であるウサイン・ボルト。
大きなストライドで世界中を驚愕させたジャマイカの国民的英雄は競技引退後、超人的な脚力を武器にサッカーに挑戦したり、最近ではNFLへの挑戦を表明しています。
残念ながらサッカーではプロチームとの契約には至りませんでしたが、あの脚力がNFLの猛者たちを相手にした時にどれだけ通用するのか。直線だけでなく、守備の選手たちをかわすためのステップがどれだけ上手に踏めるのか、見てみたくなりませんか?
それから、こちらも誰もが知るスーパースター、バスケットボールのマイケル・ジョーダン。
元NBA選手としては初めて、NBAチーム(シャーロット・ホーネッツ)のオーナーとなったMJは、 “フリーバスケットボーラー”とも呼ぶべきスタイルでNBA以外にも多方面に投資をしていますし、多くの方がご存知のように、引退後もNIKEが契約して彼の名前のシューズを作っており、そのブランドイメージが、若年層の気持ちをつねに掴み続けているという、稀有な存在です。