エキサイティングな生き方の魅力。

　多くの人がジョーダンやボルトといったスーパースター、グッドオールのようなライフスタイルアイコンに魅了される大きな理由は、彼らが自身のこれまでのキャリアで築いた名声だけでなく、いま現在も「エキサイティングな生き方」をしているからです。

　グッドオールは、あの島に大きな波が来るという予報が出るやいなや、即座に飛行機のチケットを予約。知り合いのカメラマンに連絡をとって、自身がビッグウェーブ、スーパーバレルに乗る様を撮影しようとするのです。

　そこにあるのは損得勘定よりも、「大きな波が来るなら乗って楽しみたい」というシンプルな心。危険もかえりみず、波の状態を最優先に考え、即行動に移してしまう。自分の好きなことに一直線で取り組んでいる姿勢が、多くの人に憧れをもたらすのだろう、と思います。

現役を離れてからの人生チョイス。

　スポーツ選手の生き方は、人の憧れでもあり、端的に「かっこいい」ものだ、と思います。

　幼少期から、自分の好きなこと、得意なことを突き詰めて、普通の人にはできないことを成し遂げてくれる。ファンは、彼らが見たてっぺんからの景色を共有することで、感動をもらい、またそれと同時に、「自分もそうなってみたい、なれたらいいな」という思いを引き出してくれます。

　その輝きの賞味期限は、「現役時代やユニフォームを着ている時だけ」ではないのです。その先にも、さらなる新しいステージ、新しい夢を切り拓いていくための切符をもっている「スター」なのです。

　たとえばプロ野球選手が、グラウンドから離れた時にどんなキャリアを描けるのか。プロアマ交流の規定が相変わらず障壁になるのかもしれませんが、打撃では天才的な技術の持ち主といわれた高橋由伸さんが、まったくのフリーという立場で全国の中学や高校をクリニックで回ったりできれば、いったいどれだけの影響を球児たちに与えることができるか……。もっと自由に、そのスキルを生かす場所があっていいと思うのです。

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