ファイターズ広報、記す。BACK NUMBER
栗山監督が考える優勝の条件と、
日本ハム苦節のドラ1右腕の再起。
text by
高山通史Michifumi Takayama
photograph byKyodo News
posted2019/02/19 11:30
'10年に初登板初先発初勝利を挙げて、ウイニングボールにキスする日本ハム・中村勝。'17年に右肘手術を受け、現在は復帰途上にいる。
先輩のダルビッシュとも対面。
アリゾナで、真剣勝負の土俵に上がったのは運命だったように思う。ほど近いマリナーズのキャンプ地では、菊池雄星投手がマリナーズの一員として始動していた。10年前のドラフトで、菊池の外れ1位で中村勝が指名されたという縁があり、そんな同年代が別のステージへと挑戦をしていた。
同じ手術を受けた先輩のダルビッシュとも対面した。愛称「埼玉のダルビッシュ」の由来となった右腕とも一瞬、また野球人生が交錯した。
栗山監督は常々、言う。
「ただ戦力が整っている、だけでは優勝することができないんだよね。何かが起きないと。だからこちらは何かが起こるようにしないといけないんだ」
何を起こせるのか。何を、ファイターズへと注ぎ込めるのか。栗山監督がふと見せたセンチメンタルなシーン。苦節10年目の右腕へと寄せる期待が、垣間見えた気がした。