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藤田菜七子のフェブラリーSやいかに。
女性騎手誕生から23年目の大挑戦。
posted2019/02/16 09:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kiichi Matsumoto
今週の第36回フェブラリーステークス(2月17日、東京ダート1600m、4歳以上GI)で、藤田菜七子がJRA所属の女性騎手として初めてGIに騎乗する。
騎乗馬はコパノキッキング(セン4歳、父スプリングアットラスト、栗東・村山明厩舎)。風水の第一人者として知られるDr.コパこと小林祥晃オーナーが所有し、トライアルの根岸ステークスを4連勝で制した有力馬だ。
その根岸ステークスで手綱をとったのは、短期免許で来日していたオイシン・マーフィーだった。レース前から、そこで1着か2着になったら藤田でフェブラリーステークスに向かおうと、オーナーは村山調教師に話していたという。
藤田は小林オーナーの馬で5勝を挙げているが、コパノキッキングに実戦で騎乗するのは初めてになる。それでもオーナーが藤田を起用した理由は、やわらかく乗れるから。テンションの上がりやすいこの馬に、ソフトな当たりの藤田は「手が合う」と考えたのだ。
コパノキッキングは昨年2月4日、京都ダート1200mの3歳未勝利戦でデビュー。そこを8馬身差で圧勝し、前走の根岸ステークスまで9戦7勝。負けた2戦はどちらもダート1400mだった。1000mで2勝、1200mで4勝という成績から1400mは長すぎると見る向きもあるなか、同距離の根岸ステークスを完勝。
唯一の不安材料は未経験の距離。
しかし、騎乗したマーフィーも「ベストは1200m」とコメントしていたように、腕で距離をもたせて勝った、という部分も確かにあった。
ここはさらに200m延びる1600m。コパノキッキングにとって初体験の距離となる。
昨年のノンコノユメ、2016年のモーニンも根岸ステークスを勝ってここを制しているが、どちらも1600m以上での勝ち鞍があった。
能力、勢い、コパノリッキーで'14、'15年とレース史上初の連覇を果たしたオーナーの運など、勝っても不思議ではない要素をいくつも持っているコパノキッキングの唯一の不安材料が、距離だ。